[書籍]仕事と就活の教養講座: 生きのびるための働き方

今日の1冊は

仕事と就活の教養講座: 生きのびるための働き方
細谷 実, 中西 新太郎 小園弥生 著 です。

皆さんはどんな視点で働いていますか?

会社のために働くのだから、会社のことを考えて当然
経営者目線で視野を広く持って働く。

とても美しい言葉にも聞こえますが、そんな思想がもしかしたら
あなたを社畜化させているかもしれません。

この本は様々なインタビュー、訴訟、新聞記事など
働き方でトラブルとなっている人たちの実例や経営者の言い分も交えながら、労働者側から見た働き方を考えさせる本です。

頭のなかで知識を吟味し、おかしな常識を鵜呑みにしないことを
”教養” と本の中では呼んでいます。

労働者と経営者は基本的に立場が全く違います。
経営者は労働者がいかに良いパフォーマンスで働いてくれるかを考えます。

労働者の身体的、精神的負担を軽減しパフォーマンスを最大限に活かすという工夫を取る会社もいれば、
いかに労働者を限られた賃金コストで効率的に働けるかを考えるところもあるでしょう。

あるときこの効率的に労働者を働かせるという試みは、労働者と経営者の間に摩擦を生みます。

経営者の目的は、
その会社がうまく運営できること に尽きるでしょう。
会社が大きければ大きいほど経営者という一人の人間ではコントロールが利かなくなります。

そして組織が必要になり、働く労働者が必要になります。労働者に求めることはもちろん会社を運営できるように働いてくれ、ですよね。

もし経営者と労働者が同じ目線や視点を持って働いてくれれば、
経営者の分身ができるようなものです。運営もうまくいくでしょう。

入社試験のさい、あなたは弊社のために何ができるか?と聞かれる定番の質問があると思います。この質問から労働者に経営者目線の思想をもたされるような誘導尋問は始まっているように思えます。例えば会社を使ってあなたはどんな人生を送りたいか?という質問はあまり無いと思います。

経営者は賃金を払い、その対価として自分の能力を提供し仕事をする、これが会社と労働者が行う契約です。
能力を提供しなければ給料は発生しませんが、
この奉仕が度を過ぎると、社畜となってしまします。

社畜とは他人の利害のままに働かされるロボットと本の中では表現されています。他人の利害とはここでは経営者から見る会社の業績の良し悪しでしょう。

なぜ社畜になるのか、その一つの理由に
考える余裕もなく働く年齢になってしまう。
というのがあるのではないかと思います。

日本は新卒一括採用です。大学を卒業した次の月には
社会人として働きます。そしてこの青田刈りが終わると
ブランクが空いた人は”新卒カード”と呼ばれる手札を
失ったことで、就職に不利となるのです。

大学をはじめとする学校は勉強する場です。
勉強は冒頭に書いた”教養”を得る上でも大事なことです。

大学生の就職活動はさまざまなメディアで問題視されています。
私もそんな時期を経験しましたが、不可解極まりない時でした。
同じ時期にみんなリクルートスーツを着て、合同説明会に大挙し、たくさんの企業にエントリーシートを書き、筆記試験を受けてあれこれあれこれ・・・。

自分のリズムで就活できない
と変な気持になった人は多いのではないでしょうか?

勉強したい期間も、働きたいと思う瞬間も、個人のペースというものがあるはずです。しかし日本の就活体制はそのリズムを無理やり統一させられてしまいます。

GAP YEARという言葉が海外にはあります。
進学や就職など、ステージが変わる間の空白の期間のことで
その間に自分が興味を持っていることに没頭したり、その人自身が特別な経験をするための貴重な時間が推奨されています。

日本の就活体制は、そんな個性を殺してしまう気がします。
個性が生まれないまま、社会人を迎えてしまうとどうなってしまうでしょうか?私はその先に社畜があるのではと思います。

この本は思うところがたくさんあり、感想文も長くなってしまいますね・・・。

フリーター元年と呼ばれる1997年頃から、
国際競争に勝つため、人材そして会社はより
流動的にならなければならない。
柔軟にならなければならない。という思想が強まります。

インターネット社会と呼ばれるようになり、世界中の情報が
簡単に手に入る時代となりました。
土地の離れた異国の地の新発見や、隣国の珍事など
新しいことに気づき易い時代になったと思います。

それはつまり、変化が激しい時代になったのです。

日本はガラケーと呼ばれる携帯電話があったように
海に囲まれ、外との情報交換が陸続きの隣国が
多い国に比べ少なかったこともあり、
独自の文化を作り上げてきた国でもあります。

しかし今は情報交換が盛んで、ある意味国境というものが
曖昧な時代に突入してきています。
交通も便利になり、日本からほぼ地球の真裏である
ドイツも飛行機の直行便なら半日で
到達できるほどの科学技術も生まれました。

このように自分自身がぼーっとしているうちに、
国際社会はどんどん変化していきます。

日本でも雇用体系はどんどん変化していきます。
阿部政権で言われている”働き方改革”、とても安定した給与の正社員を日本に増やせるような政策とは思えません。

グローバルな社会となり世界的な貧富の差は少なくなってきています。それはつまり先進国であった日本と後進国との差も埋まり、それらの国と競争しないと生き残れない社会といってもいいでしょう。

世の中には日本よりも半分や5分の1の自給で人を雇える国があります。そのような国が技術を得て程よい品質の製品を作れるようになりました。

そのような国の企業と戦うためには、日本企業も当たり前のように低コストを求めます。日本企業がつぶれれば日本政府も困るので、安いコストになるよう補助するのも当たり前のことでしょう。

会社にぶら下がり終身雇用で生き延びられる人はどんどん少なくなるでしょう。
そんな不確実な今の社会の制度、問題、
そして 自分がなぜ働くか。どう働きたいか。

レールの上を歩かず、自分で考えて生きていかないといけない世の中になったなと感じさせられる1冊です。
少し労働者にとってはネガティブな内容も多いので、気落ちしないように気を付ける必要もあるかも・・・?

社畜の意識改革
 情報量
未来に希望を持てる度
総合評価
細谷 実,中西 新太郎,小園 弥生

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