[書籍]あなたのキャリアのつくり方: NPOを手がかりに

転職先にNPO!?
そんな私のようなNPOを知らない方々へお送りする

浦坂純子著
あなたのキャリアのつくり方: NPOを手がかりに
のレビューです。

NPOとは
Not-for-Profit Organization 非営利団体の意味で、
個人的には申し訳ないのですが

いまいちどんなところかぱっとイメージがわきません。

しかしNPOは日本にはどれくらいあるのか?
内閣府のNPOホームページを見るとNPOは合わせて10万以上団体があることに驚かされます。

本書では現代の働き方を考える選択肢としてNPOを考えさせるため、NPOがどんな働き方をするか、給与はどの程度なのか
等を統計的にまとめたデータをもとに紹介してくれる1冊です。

まず序章は今の就職活動、働き方には昔のような”普通”は望めない可能性があることを提唱しています。

”普通”とは?
正社員 安定 給料ボーナスあり 家族を持ちマイホーム 終身雇用 こういったキーワードが絡むのではないでしょうか?

しかしこれらはすでに幻想となり始めていることを様々なデータで示しています。

日本の雇用に凝り固まっているのが、日本独特の
日本型雇用システムです。
高度成長期に作られた普通に働くためのこのシステムは、
終身雇用 企業別労働組合 年功序列 が元になっています。
いままでは男が外で働き、妻が家を守るという形がメジャーでした。

しかしこの制度は昨今機能していないと指摘しています。
グローバル化による激しい競争社会によって企業の業績も以前より不安定となり、社員を長く維持することが会社にとって負担となっていました。

しかし正社員は法律で安易に解雇ができないように守られています。調整弁として非正規雇用が増えてきた事も本書にはデータでしっかり載っています。

一方労働者はなぜ安定した収入が必要なのでしょうか?

厚生労働省H27の統計では初婚の男女は男が31.1歳 女性が29.4歳なので、子供が独立までの20~30年、つまり60歳前後まで支出が発生するというのがわかりますね。
なので60歳まで安定した収入は子供のためには必要不可欠ということになります。

2014年文科省の子供の学習費調査では私立のみで高校まで進む子供には平均1770万円、 公立だけでも523万円必要という統計が出ています。

大学が追加されるとそこに200~500万くらい追加されます。
子供を大学まで育てるためには2~3000万円必要なのが明らかです。

安定し、昇給があり、長く雇ってくれることは家族を養うために不可欠な条件として、今までの日本雇用に求められてきました。
高度経済成長期は景気が良いので給料も上がりやすく、安定した収入も期待できましたが会社の業績はこのグローバル化で足元が揺らいできています。

転職リスクを下げるため、社内教育を厚く、長く働けば給料も上がると会社と社員の関係を厚くすることで、長期雇用を支えるシステムが景気の良い時代は作り上げることができたのです。

今でこそ社畜という言葉が使われますが、企業戦士とかそんな言葉で、給料は上がるから起業のために頑張る会社員が当時を支えてきました。景気も良いので会社への不満も給料や厚待遇によって我慢できたのかもしれません。

でも現状は?

総務省統計 労働力調査では非正規は37.5%を占め年々増えています。その中でも高齢者の非正規割合が増えました。雇用の不安定と少子高齢化をまとめてよく表していますね。

また非正規雇用は社内教育(OJTなど)も正社員に比べて待遇が薄く、雇用保険への加入割合も低いというデータが出ています。
給与も正社員に比べて低い。

ならみななぜ非正規雇用になってしまうのでしょうか?
それは そうせざるを得なかったからです。

不本意で非正規雇用になっている人は、就業形態の多様化に関する総合実態調査で正社員になれなかったので非正規になったというのが3.4人に1人います。

正社員の枠が需要に間に合っていないのです。
それだけ厚待遇の社員を抱えられないのです。

正社員はどうでしょうか、正社員の定義は難しいですが、安定を提供する代わり会社のために業務命令をうけて転勤をしたり移動したりたまの不満はあるかもしれませんが、働くことが求められているのが普通と思います。

しかし非正規雇用が増えることで正社員への負担も増えてきています。そして単身者高齢者が増えたことで私生活でやることも増え、限定正社員というシステムも生まれています。

会社が求める人材はいつも優秀なグローバル人材で、転勤も気にしない企業戦士でしょう。ただ囲い込みをするための安定の供給がグローバルな競争によって難しくなっています。そのしわ寄せは社畜という形で形成されるのではないでしょうか。

普通に働くって制服のイメージがある 
と本書では書かれています。確かにスーツのイメージはありますね。

自分の服を自分自身でアレンジする=固定観念にとらわれず自分の生き方を考える、そんな力がこれからは必要かもしれません。

NPOをそんな新しい生き方の選択肢として検討できるのがこの本なのです。

皆さんにとってのNPOの情報源はどこでしょうか?
基本的に知らないあるいはテレビ雑誌などのマスメディアでしか普通は聞かないという統計で出ています。

NPOの中で保健医療福祉関連が最も多いそうです。非営利が原則ですが、NPOである条件はとてもあいまいなのだとか。
ニュースのイメージで営利目的で摘発という黒いイメージも無くもないですが・・・

NPOには雇用形態が多くあり、正規職員 非正規というお金をもらう人から、有給ボランティアという謝礼、経費のみ受け取る人、無償ボランティアなど様々で、女性や高齢者が活躍している社会のようです。若い人ほどお金をもらう雇用形態に多いということがJILPT2015の統計で明らかになっています。

給料についてもデータが乗っています。正規非正規共に普通の会社員の新人、若い人の給与水準という感じです。会社に比べれば低いかもしれませんが、人によっては会社員のほうが低いという人もいるのではないでしょうか。平均的にはまだ企業の給与より少し劣るようです。

NPOを構成する人数とはどのくらいなのでしょうか?
2004年ではNPOの平均人員構成は25人でしたが、
2014年には45人とほぼ倍に増加しています。雇用が拡大していることがわかりますね。日本の労働者人口が4500万人くらいなので、NPOは500万人くらいとすると10%位を占めています。

NPOに就いた方はそのあとどのような進路に進んでいるのでしょうか?

3年後に何をしているかという調査では
JILPT2016調べでは、同じNPOに残っている人が約半数で、不明という人が36.2%います。企業の離職率に比べると少し高いかもしれません。

決してNPOが職場として安定していて素晴らしいと言えませんが、決して選択肢として無しとは言えないでしょう。
NPOで働いている人の幸福度とか、不満とかそういったアンケートもたくさんあれば、もっとNPOの働き方を深く検討できたかもしれませんが、第1歩としては十分すぎる情報です。

会社員がだめならフリーランス、あるいは独立して法人(株式会社)みたいな選択肢にまた1つNPOという選択肢が増えました。気になる方は内閣府のNPOホームページやJILPTを見てみてはいかがでしょうか。いままで調べることがなかったNPOの実情を統計資料で深く見ることができます。

2016年に経団連が、就職活動に対するガイダンスを発表し、
広報活動を3月から、選考活動6月からと定めました。
経団連に所属する大企業への影響力高いため、多くの学生の就職活動も統一されることになりました。個人には個人の都合、タイミングがあるのに、それを規制するかのように、考える隙を与えられないかのように私たちは新卒というカードを守るため横一列で就職活動をしなければなりません。

この本は普通に働くことが普通でなくなっている多様化してることをデータをもとに説明し、著者のNPO経験をもとにNPOでの雇用規模、生活を説明しています。
NPOって普通の会社員に就職した人にはあまり知識がないですよね。将来の選択肢としてNPOはどうなのか?
ライフワークバランスとしてNPOはどうなのかなど検討できる手始めの1冊としてお勧めです。

まずは内閣府NPOページ、JILPTなどを見て調べてみましょう!

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